なるべく早く帰るつもりが、ゆうさんと呑んだため午前様になってしまった。
「フレッドアステアみたいになりたいと思ってな」とタップダンスを始めた
理由をゆうさんは言った。
また古い名前を出したもんだ。今どきフレッドアステアなんて誰が知ってる。
私は知ってるがね。いつものバーカウンターで呑んだ。
上原氏に小説出版OKの話もした。
「そうか。それは有り難い。頑張って書くかな」
「だけど時間はあるのかい?タップダンス習って、同伴して呑み行って」
ゆうさんは胸を張った。
「どうだい!最近俺若返った感じしないか?」
「まあたしかに。だけど無理は禁物だぜ。年を考えろよ」
その時さつきちゃんが店に入って来た。
ジーパン姿の軽やかな私服。長い髪を後ろに束ねてスッピンに近い。
急いでる感じで入って来た。こうして見るとたしかにいい女だ。
我々2人のそばにやって来て
「ごめんねえ、ジイジイ。今日は時間合わなくて」
「いや、大丈夫だよ。それより待ってるんだろ?遅れるよ」
「うん。わかった!行って来るね。後からまたー」電話する格好をし、
私にも会釈してさつきちゃんは店を出て行った。
私とゆうさんはお互い顔を見合わせた。
「ジイジイ、乾杯!」ゆうさんは黙ってグラスをあげた。ジイジイねえ。(笑)
結局深夜を過ぎてしまった。
翌朝私は東北新幹線でみんなと合流しなければならないのに。