改めて書かせてもらうが、私のブログ名は「スイスイブルース」。
スイスイとは酔酔とも書く。年中酒を呑んでるんで(笑)。
さてある日、焼き鳥屋で一人飲んでると、ゆうさんが恰幅の良い中年オヤジと入って来た。
オヤジは2人の若いのを連れている。見るからにこわおもてで
知り合いになりたくない人物だ。
ゆうさんに紹介されても無言でこっちをにらむだけ。
玉山という人で六本木にビルを所有してる金持ち。
こっちとらには、そんな事は無関係。第一ゆうさんに不似合いな人物である。
「渕君、玉山会長がやってるゲイバーに一緒に行こう。面白いから」
この人ビルだけじゃなくゲイバーも経営してるんだ。
「悪いがゆうさん、今日は遠慮しとくよ。行きたい店もあるし」「いいから行こうぜ」
「ゲイバーは趣味じゃない」と言ってもしつこく誘って来る。
「招待しますので、是非行きましょう」と野太い声で玉山会長がにらみながら誘う。
仕方なしに付き合うことになった。
六本木通りを歩いて西麻布近辺の意外に広くオシャレな店。
ステージがあってソファが何席も並んでる。
すでに満席に近い状況だが、私とゆうさんは一番ステージに近い席に座らせられた。
「どうぞビールでも 焼酎でも呑んでゆっくりして下さい。後からまた」といって、
玉山会長が離れる。「ゆうさん、あんな威張ったオヤジはあんたのタイプじゃないだろ」
ゆうさんはただ笑ってるばかり。
そばに着飾ったゲイらが座る。ゆうさんにこんな趣味があったとは!
私は確かに長い間独身を続けているが、いたってノーマルであり女性が大好きだ。
だから本物の女性のホステスがいるクラブに行ってるんだ。着飾ったところでゲイはゲイ。
少々おぞましい。ショーが始まった。きらびやかで女に見間違えてしまう。
セクシーなダンスを次々と披露する。ゆうさんは「どうだ面白いだろう」
てな感じで私を見て酒を呑んでる。
いよいよ最後のショーになった。いきなり奇声が発せられた。
一際店内の照明が変わり客からの拍手が大きくなった。3人ショーの始まり。
真ん中にデブのオカマがいて左右を綺麗どころが踊る。
真ん中のデブは不細工ながら愛嬌たっぷりにステージ狭しと動き回って踊り回る。
客席のノリも一番いい。私もつられてゆうさんと手拍子する。
デブのおかしな動作に笑いがおこる。
ショーの落しどころなのだろう。拍手しながらゆうさんが耳元で囁く。
「どうだい、会長の裏の顔面白いだろう?」会長?よく見るとデブは玉山会長だ。
両脇は一緒に来てた若いのだ。
あの無愛想な厳つい会長がこんな不細工になって愛想良く踊っている。
「驚いたか?」ゆうさんがいたずらっぽく笑ってる。
ショーが終わり、汗みどろの玉山会長が衣装のまま我々の席に来た。
「あ〜ら、ありがとう」シナをつくってピタッと身体をつけて来た。
気持ち悪い。暑苦しい!
「フッチャン!今日は知り合えて嬉しかったわあ。ねえゆうさん、
これからも仲良くねえ」ゆうさんは大笑いしている。
先程のにらみ顔との格差に私はただ戸惑うだけだ。
不細工で愛想のいい顔が近付いて来た…。